今年自分ちで観て面白かった作品を記しておきます。正直自分が楽しめる作品の数は随分と減ったなあという実感です。自分の好みが狭くなったのか作品の質が落ちているのか、その両方なのかあまり良い傾向ではないです。
劇場版 OVER LOAD 聖王国編
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| 2024(日本) BD-ROM |
監督:伊藤尚往
出演:日野聡 青山吉能
アインズの次の標的は聖王国。その作戦を一任されたデミウルゴスは亜人の軍団を率いて聖王国北部に攻め込んできた。
「強者は何をしてもよい」という今の時代にそぐわないような強弁を地でいくアインズ。強者が正しい行いを成せばそれが正義であるということを強く喧伝する。物語中まだその正体があまり描かれてこなかった聖王国だが魔道国が相手だとやはりひとたまりもなさそう。あまり青少年の教育にはよくなさそうだが、強者が弱者を支配する最も効率の良いやり方のお手本を見ているようでエンターテイメントとしては個人的にすごく楽しめる。
Ryuichi Sakamoto Opus
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| 2024(日本) NHK BS |
監督:空音央
出演:坂本龍一
NHKの509スタジオでの坂本龍一氏のピアノ演奏の録音風景を収録した作品。
氏が亡くなる6ヶ月前の演奏。観ているとまるで遺言かレクイエムを聴いているような気がしてくる。NHKでももっとも音が良いスタジオということで録音も素晴らしいと思います。
きみの色
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| 2024(日本) WOWOW |
監督:山田尚子
出演:鈴川紗由 髙石あかり
人の姿に色を同時に見ることができる少女。同学年の子できれいな青色をした子がいたが学校をやめてしまう。
同監督の前作「リズと青い鳥」のキャクラーデザインが不自然なくらい等身が高いデザインだったのと対照的なヒロイン。鼻息があらくガツガツくる感じが新鮮です。初対面でともだちになれるというのは何か波動的な波長があわないと無理でトツ子がいい感じで触媒になっているのでしょう。
碁盤斬り
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| 2024(日本) WOWOW |
監督:白石和彌
出演:草薙剛 斉藤工
長屋で娘と二人で暮らす浪人の男。碁会所で知り合った町人の男と懇意になる。
宮仕えで実直に働いていたのに失脚し貧乏暮らしをしている浪人。下級武士の悲哀を描く作品は他にもありますがこの作品では囲碁打ちが一つのテーマになっている。剣の腕前も優れているが碁打ちの技で魅了するのが新鮮といえば新鮮です。結局悪者は誰なのだろう。優柔不断な印象。
敵
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| 2025(日本) WOWOW |
監督:吉田大八
出演:長塚京三 瀧内公美
大学で教鞭をとっていたときは仏文学の権威だったが引退し一人暮らししている老人。
孤独な中襲ってくる絶望感からか彼はよく幻を見るというか妄想をしている。どこまでが現実でどこからが妄想なのか境界があいまいでそこは観る者に判断が委ねられる。その老人だけの現象なのかその家で暮らしていると誰でもそういう心境になっていくのか。敵というのは多分生きていく生きがいのようなものを削いでいく具体的または抽象的な事象をすべて含んだものだと思う。
夜の外側 イタリアを震撼させた55日間
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| 2022(イタリア/フランス) WOWOW |
監督:マルコ・ベロッキオ
出演:ファブリツィオ・ジフーニ マルゲリータ・ブイ
1976年、イタリアのキリスト教民主党の党首モーロがテロリストの赤い旅団に誘拐される。
5時間40分ある長編。混乱する政党の仲間たちと捜査陣の視点、方向を見失いがちなテロリストたちの視点、表向きの顔と本意とで揺れる家族たちの視点などを通して事件の顛末がじっくりと描かれる。当時のイタリアでは共産党との融和路線で揺れていたようだけど赤い旅団の主張は党の過去の罪状をあげているようで活動の目的がもう一つ分からない。まあ古今東西過激派の主張なんて大衆に理解されるはずもないと思うけど。






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