私の母親は専業主婦でした。
私が子供の頃から家に帰れば家に居るのが当たり前で女性の生き方としては個人的には最もしっくりくる生き方と感じています。それが私の中では原風景となっているからです。
実際母親が父親が従事していた仕事の代わりをやったり、父親が家事をやったりなどは本人たちの能力的な意味で無理があります。
それは差別などではなく適材適所ということで本人たちがその能力を効率よく発揮させることができるポジションにつくということで自然なことだと思ってきました。
話は変わりますが、アメリカでは黒人奴隷の解放は余計なことで自分たちは黒人たちとうまくやっていたのだと今でも主張する白人がいるそうです。彼らにとっては黒人が白人の奴隷として生きることは適材適所であってなんの不自然もないということなのでしょう。
この考え方と先の家庭内分業の考え方はどこが違うのだろうと考えるとわからなくなってきます。
大事なことは本人たちに選択する機会が与えられているのか?自分たちで生き方を決めることができるのか?ということでしょう。
なので夫婦間で家事と仕事をフィフティ・フィフティでやらないといけないというふうに決めつけるのもおかしいけど、男女で役割の線引きをする必要もないということ。当然に彼らの能力や適性などでその役割を決めれば良いのでしょう。
前置きが長くなってしまいましたがNHKの連続テレビ小説「虎に翼」のテーマはまさにこのジェンダー差別について。
妻は「無能力者」で夫の庇護を受けなくてはならないというように法律で定められていた時代に女性初の弁護士を目指して奮闘する猪爪寅子(いのつめともこ)が主人公。名前の印象の通り猪突猛進タイプの女性で世の中の疑問に対して体当たりで突破しようとする。
司法試験では男子よりも高い点数をとらないとまず合格できないだろうし、足を引っ張られる要素は周りにゴロゴロしている。(今の時代でも医学部で女子受験生の合格点数のハンデはありましたよね)。
キャラクター的に面白いと思ったのはヨネさんですね。彼女の硬派っぷりは半端ない。打算とは全く無縁で気に入らなければ試験の教官相手でも反骨する。普通、目的のためには少しぐらい要領よくふるまうことも必要でしょうに。(笑)
司法試験突破を目指し奮闘する前半と比べると戦後の後半はややおとなしい展開。
仕事と家庭との両立のテーマは難しい問題だと思う。家政婦さんのように協力してくれる存在なしで、母子家庭で高度に仕事と家庭の両立は不可能だと思う。
現代でも子育てのための育休として休める仕事なんて入ったばかりの新入社員くらいなら可能かもしれないが中堅以上の社員だと代わりを務めて周りがサポートするにはいろいろ無理があると思う。日頃からそれだけ余裕のある人員体制の職場ってそうそうないでしょう。余裕のある体制を目指せばますます給料が上がらなくなりそうですね。
なんていろいろ考えるヒントを与えてくれるドラマです。