2006年1月10日火曜日

目指す方向

現状のマイシステムが再生する音についてもう少し書いてみます。
強力な音というのは端的にはスピーカーより前方に迫ってくる音といっても良いかもしれません。
ヘッドホンで聴く再生音に通じるようにあいまいなところが全然なく、きわめて濃厚で立体的なのです。

プリアンプのボリュームの調整が映像でいうコントラストの調整と同じような感じで、ソフトによってちょうど良いところがほぼ決まっていてそれよりボリュームが低くても高くてもバランスが崩れてしまって、音像の立体感や感触の美味しいところが味わえなくなってしまいます。
どこか麻薬的にのめりこめるような魅力があり昂揚感を得られる反面、長く聴いていると反動で疲れてしまいます。

これはパワーアンプのボルダー 850とつい最近トランスポートに繋いだ電源ケーブルDolphin PS.2の相乗効果によるものと思います。
この二つのアイテムがシステムに加わる前のボルダー 102AEを使っていた時の音は質的には現状と比べるべくもなかったのですが、どちらかというとクラシックのオーケストラの再生は得意で特に破綻がなかったのに対し、歌ものがボーカルに全くリアリティがなく駄目でした。

これに対して現状の音は、歌ものはボーカルの艶かしさや情念のようなものまで表現してくれて申し分ないのですが、クラシックの小編成のものを俯瞰的に落ち着いて聴くのには不向きのようです。
それからディスクの録音状態の差を如実に出してしまい、特に空間的な情報が入っていないソフトはあまり楽しめなくなってしまいました。
(特にエンヤは昔から好きなのですが最近は音情報の少なさが気になってしまって残念な思いをしています。)

私の嗜好はもともと音楽に関してはどちらかというとエネルギッシュなものや、映像的な情景がイメージできるものが好きなので方向性としては我が意を得たりというところですが、「普遍的な音の良さ」という観点からするとまだまだ課題があると言えます。

どんなソフトを聴いても引き込まれるような昂揚感が得られ、そこに奏者がいないのが不思議な感覚に陥るような普遍的な音のよさを目指したいと思います。

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