2005年9月24日土曜日

TVアニメーションでもっとも好きな作品

映画鑑賞日記を書いているぐらいなので私は映画を鑑賞するのが大好きなのだと思います。
しかし映画ならどんな作品でも楽しめるかというとそれほど好みの広さは広くありません。

特にジャンルを限定するわけではないのですが、好みの傾向はあると思います。
自分の好みの傾向を分析してみると、人の人生が感じられるものや深層心理を描いたもの、奇抜な展開でオリジナリティを強く感じるものが好きなようです。

しかし自分がもっと若いころ、特に10代のころはそんな難しい事を考えながら作品を見る事はありませんでしたし、TVアニメーションなどもかなり見ていました。

ちなみにTVアニメーション作品でベストをあげるなら、「未来少年コナン」と「赤毛のアン」の二つです。
今では宮崎 駿さんも高畑 勲さんも知らない人はいないぐらい有名なお二方ですが、まだ無名のころに手がけたこの2作品が私に与えた影響はかなり大きいでしょう。

両作品は言って見ればお二人の作品世界の対称性そのものの「動」と「静」の作品だと思います。

「コナン」は一見破天荒なアクションと純粋さが面白さの大部分を占めているように見えますし実際そうなのですが、私が案外魅力に感じるのはモンスリーやレプカなど所謂悪役たちです。
特にレプカはラオ博士とは対照的なエゴイズム丸出しのリーダーなのですが、すごく人間臭さを感じ追い詰められていく過程は今見ても笑えてしまうのです。

「アン」ははっきり言って子供が見てもあまり面白いとは感じないのじゃないかと思うくらい地味な作品です。
対象は中学生以上かなと思います。
光るのはやはり生活描写の演出の巧みさです。
特に、マシュウが亡くなって葬式が行われた時、アンは式に参加し淡々とすごしますが、式が終わり夜部屋に戻って一人になったアンはマシュウが居るべき場所に彼が居ない風景が心に次々と浮かんできて、不意に締め付けられるような悲しみに襲われる。

凡庸な演出家なら、主人公をただ大泣きさせるだけのようなシーンになりがちなのですが、アンのこのシーンは見ている者にも痛みにも似たような悲しみを起こさせます。

案外国内では評価されないアニメーション作品ですが、実写作品でもめったにお目にかかれないくらい素晴らしい演出作品もありますので、「子供向け」として封印するのはもったいないと思います。


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