2005年11月5日土曜日

あずみ

小山ゆうさんの漫画作品「あずみ」は大好きな作品です。
「がんばれ元気」は少年サンデーでリアルタイムに読んでいましたし大好きな作品なのですが、その後は小山さんの作品にそれ程傾倒する事はなく「あずみ」で小山作品への熱が再燃したといってよいです。

徳川家康の治世を助ける為の刺客として、物心つかぬうちから山奥で鍛え育てられたあずみは一緒に育てられた中間達の中でも抜群の資質を持ち、一人ぼっちになっても己の才覚と剣の腕で生き抜いていく。

家康のブレーンであった天海僧正の下で難度の高い仕事を命じられ、それを苦労しながらも成功させていく。

彼女はまだ10代で、異人の血が混じっているらしく青みがかった瞳や栗色の髪を持つたいそうな美少女。
実際彼女に出会った男たちで彼女に心惹かれるものは後をたたないくらいです。
しかし、彼女が自らの剣で殺めた人の数は正確には数えていませんが3桁は確実に行っています。
刺客なのですから標的をだまし討ちする事もありますが、ほとんどは真剣に命のやりとりを行っての数字です。
まともに勝負をして生き残ったのは、宮本武蔵と、あずみが現在(37巻で)行動を共にしている千代蔵の二人くらいでしょうか。

あずみは決して好戦的な性格ではなく、むしろ人一倍やさしく寂しがりやの側面を持つ少女。
彼女が酒を飲んでいやな事を忘れようとしたり、殺しをためらって葛藤する姿を見るのはつらかったりいとおしかったりします。

小山氏が描くアクション、とりわけ達人の動作の表現は理にかなっていて、アクションシーンには物凄くうるさい私ですが文句なしに満点を付けられます。

あずみの面白さはそのアクションも含めて人間の可能性について深く考察できるところです。
まだ若年の彼女が人の生きる道や世の中の大義について心の中で悩み、覚悟を決めて行動していくさまを見ていると現代の日本人に最も欠けている資質はなんなのだろうとか考えてしまいます。

私にとってあずみは一緒にお酒を飲んでみたいと思う一番の相手だったりします。(笑)


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