2018年4月6日金曜日

さようなら高畑勲さん

個人的には絶賛できる作品もあればそうでもない作品もありやはり地味な趣味の監督さんだったと思います。劇場版最後の作品「かぐや姫の物語」はまだ観ていません。そういうことで私はファンを名乗るには中途半端かもしれない。
自分の中で高畑さんの作品で特別なものはやはりTVシリーズの「赤毛のアン」と「じゃりン子チエ」です。
どちらもリアルタイムで目にしていながらその当時は全く興味を示さず大学生くらいになって初めてその作品の価値に気付いた次第。実際同監督作品が子供にそれほど受けたとは思えない。
漫画を描くことに挫折してこの世界に入った宮崎監督とは違って高畑監督は絵を描かない(描けない?)人。純粋に子供を喜ばせるような作品が作りたかったのだろうと思うが大人受けのする作品ばかりだと思う。

赤毛のアンもじゃりン子チエも物語や映画の世界ではあまり描かれないタイプの家族構成が面白いと思う。

前者は結婚しない(できない)兄妹二人で暮らしていたところに新しい家族として孤児を引き取ることでできあがった3人家族。それも男の子を呼んだのにやって来たのは女の子だった事から起こるあれやこれや。しかしこの家族はとても幸せで充実した日々を送る。ろくに女性と話すこともできないマシュウの姿に私は強く共感を覚えます。

後者はろくに嫁さんの顔も見ることが出来ないテツがどうしてチエちゃんをこさえる事が出来たのかが最大の謎です。(笑) 博打狂いの親父は家に寄りつかず小学生の女の子が家業のホルモン屋を切り盛りする。ヨシエさんがホルモンを焼かないのはテツに遠慮しているのかな。この作品は逆に多分普通の大人には受けないだろうと思います。ちょっと観ただけだと柄の悪い関西弁が自分の子供に悪影響を与えるんじゃないだろうかと心配になるような。(笑)

「ハイジ」もそうですがキャラクター達の日常をリアルに描くというのは上質な映画作品でも基本的なことだと思います。そして当時のTVシリーズは年間を通してほぼ休み無く毎週1本を仕上げてあのクオリティなのは大変な事だと思う。手書きのセル画で動画をやっているわけですし背景の美術なども全て手書きですよね。

長く生きて行くにつれて出会いもあれば別れの機会も増えていきます。そしてより重いのはやはり自分の人生に大きな影響を与えた人との別れでしょう。

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