早いものでシアター部屋を作ってから1年が経ちました。節目なので部屋のことを振り返ってみようと思います。
作ったと言っても新築で作ったわけではなくて既存の部屋を改造してシアター専用部屋としています。施工も専門家を頼ったわけではなく普通の工務店さんに事細かく私の意向を伝えて作ってもらったものでどちらかと言えば費用をあまりかけずにそれなりにソフト鑑賞を楽しめる部屋を目指しています。
かかった費用は以前貸し出し試聴させていただいたクレルのアンプは買えないくらいの金額です。高いか安いかは経験がないのでなんとも言えないですがアンプを買うよりはお金の使い方としては正しかったと思います。部屋ができてから変わった機材はスクリーンを16:9 70インチから135インチにしたのとセンタースピーカーを追加したことです。
部屋作りの大まかなコンセプトは
・広い空間を確保すること ・頑丈な床を作ること ・天井を高くすること ・無垢の木材を使って穏やかな響きを演出すること ・窓をできるだけ少なくすること
防音は窓を2重にするくらいで壁はごく一般的な構造なので音は普通に通過します。外への音漏れは隣の住民に届くレベルではないので関係ないですが同居人の事を気にするならこの仕様では家内部の音漏れは許容できないでしょう。外の音が中に入ってくるのは40mくらい離れた県道を走る車の音が聞こえるのでもう一つですが部屋の中で使用するエアコンや除湿機の音の方が大きいのでまあ許容範囲ですね。
防音を本気でやると費用がかかるのと部屋が狭くなるのがネックなので私は低コストと部屋の広さを優先しています。
天井の高さを確保するのに既存の天井を撤去してしまったので天井はつまりダイレクトに2階の床そのものです。床からの高さは概ね3.1mです。根太が複雑に絡み合っているのと瓦屋根の勾配が一部露出しているので高さは均一ではないです。2階の床は固い合板です。音響の反射はきついかもしれませんが複雑な構造なのでそれを感じさせないですね。床の真ん中が畳なのもフラッターエコーを抑えるのに効いているような気がします。
石井式で提唱されている部屋寸法の黄金比から比べるとと天井が低すぎることになりますがリフォームではこの高さが精一杯なのと天井が高いと冬の寒さが今以上にこたえるようになること、メンテナンスが危険などの理由で今の高さでちょうどいいです。
ケーブルの配線をやりやすくするためにアルミ製のケーブルラックを使用していますがこれもフラッターエコーを抑制するのに役立っているようです。今のところ音圧でびびったりすることもないです。
響きに関しては以前使っていた6畳和室に比べればライブですがオーディオ的にはまだデッドの範囲だと思います。低域のボンつきや高域のキンつきなどは全くないですが少しあっさり傾向でもう少し響きの華やかさが欲しいと思っています。
工務店の施工が終わったままの状態では天井付近に隙間が結構あってそれをDIYで木材を使ったりコーキングしたりして塞いでいきました。そのままでは小さな虫が天井裏から侵入してきていました。音響的にも改善しています。
それからこれは意図したことではなくて結果的に大きな平面が少ないということと平面の材質がバラバラなのも音響的には無駄に反射波が干渉し合うことが少なくて良い結果になっているように思います。
・前面壁杉無垢板+窓・・・反射弱い+強い 背面壁土+構造複雑・・・反射弱い+拡散
・天井合板+構造複雑・・・反射強い+拡散 床杉無垢板+畳・・・反射弱い
・横壁杉無垢板+ソフト棚・・・反射弱い+拡散
全体的には強い反射が少なめのせいか試しに収納天面を反射の強い固い木材などに変更してやるといい具合に輪郭がしっかりした音になって面白いです。オーディオ用アクセサリーとして調音グッズが結構な数売ってますが、ごく普通の板材でも目的に合ったものを要所に使えば面白いように音が変わるのでできるだけ目立たないような形で調音にトライしていこうと思っています。周波数を測定してデータをとりながら詰めていくようなやり方もあるようですが自分の理想的な周波数特性が分かっていて適切な測定ができるならそれもいいのですが素人にはハードルが高いように思います。
それからできるだけ床にものを置かないことにも留意しています。プロジェクターやサラウンド用スピーカーは天吊りで使用して邪魔にならないようにしています。サラウンド用スピーカーは近いうちにフロントと同じものに揃えようと思っていますが重量が重いと天吊り設置にはそれなりに課題が出てきます。その辺りの課題を詰めながら準備を進めていこうと思います。
普通の部屋と専用部屋の大きな違いはセッティングの自由度が高いことですね。もちろんそれを見越して作った部屋でないとダメですが。配線なども簡単に変更できるので機材を交換すること以外に出来ることが増えて楽しいです。
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