グリードアイランド編まではすっごく楽しめる作品だったのですが、キメラアント編に入ってからは往年のジャンプ系作品が陥ってきた何でもありの大味な展開にこの作品も堕ちていくのかなと正直がっかりしていました。
しかしそれは早計であったようです。
長く深く楽しめる作品の要素として、魅力的なキャラクターが多く登場し、そして彼ら個々の活躍が丁寧に描かれていくというところは私にとっては外せないところです。
冨樫 義博氏の漫画作品 HUNTER×HUNTERの良いところは正にそれで、緻密に練られたストーリーやキャラクターの設定を長く楽しむことが出来ます。
23巻の目玉はやはり「軍儀」の女の子の登場でしょう。
心の成熟度が未熟すぎるキメラアントの王に精神面から揺さぶりを入れることが可能な彼女の登場は、王にどんな影響を与えるのか興味が尽きないところです。
それから、人であったときの記憶を完全に失ってしまっていたはずの兵隊蟻の中に人間らしい心を持つものが登場してきたところでしょうか。
週刊誌連載の筈なのに原稿を書くスピードが遅い氏ですが、この内容の充実さなら待たされても十分おつりを払っても良いくらいの出来だと思います。(笑)
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