2007年3月7日水曜日

チューニングマシン

絵画には絵画の趣があってそれはそれで楽しめるものですが、対象を万人に対して正確に表現しようとする場合ピントの合った写真、ましてやハイビジョンカメラで撮影された素材には到底及ばない。

オーディオの世界では音楽が絵画的に表現されるのが当たり前になっていて、むしろ写実的描写ははなからあきらめるとか、それがどういうものなのかさえ良く分かっていないように感じる。
「原音再生」に関する不毛な論議や、「オーディオは部屋から」といわれる意見がその最たるもので、まずスピーカーから出てくる音情報そのものに音色や空間情報などのリアリズムが確保されていなければオーディオに情熱を傾ける意味はないと思う。

ΩSACD2ドルフィンバージョンが備えているパフォーマンスはまさにこの写実的表現で抜群に優れているところ。
「抜群」というのはもちろん私の経験上の話で、世の中には私の知らないもっと優れた製品はあるのかもしれないが。


2週間経過して音がやっと本物になってきたようで、解剖学的に音楽の構造を紐解くようなリアリズムにおもわず笑いが込み上げてきて止まらない感じです。

オーディオ製品に限らず工場から出荷される製品は、どんなに価格が高くてもそれに見合ったものならお金に糸目をつけないというような人を対象には作られていません。

設計者がやりたいように設計したものではなく、必ずコストなどの制限にのっとった「妥協の産物」です。
これは私が仕事で装置を設計する時にも全く同じことが言えます。

つまり市場で普通に出回っている製品はそれでベストなものではなく、上手に手を加えてやればいくらでもまだその性能を上げてやることができるものだということです。

2輪のレースでスーパーバイクというカテゴリーがあります。
ここで走らせているマシンは市販のものばかりですが、そのパフォーマンスはもちろん我々一般の消費者が手にするものとは大きく違っています。

ドルフィンはオーディオの世界では「名チューナー」と呼んでよいと思います。
ΩSACD2ドルフィンバージョンやER-DACは、私がドルフィンに支払った代価からすれば破格に安いと思う。
これらの製品はこれから先、正確に動作する間は自分の手元から手放すことは絶対無いだろうと確信しています。

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