2007年12月8日土曜日

市場の原理

カー雑誌を見ているとよく見かけるのが、「国内で車が売れない」「若者の車離れ」などの記事。
車が売れないから車好きが欲しくなるような魅力的な車が出ないという悪循環になっていると主張しているようです。

私は車はもうこれ以上売れることはないだろうと思うしその必要もないと思う。
車が売れないのは移動のための手段として市場がもう満たされてしまったからで、昔のぜいたく品ではなく白物家電と同じような感覚のモノになったからだと思う。
道路を走る車が今以上に増えて欲しいとも思わないですし。

いつの時代でも「とんがった」モノを欲しがるのはマニア層で、実際に今の車市場もそういう棲み分けがすすんだ結果なのでしょう。

これはオーディオやビジュアル機器にも当てはまると思う。
特にオーディオはミニコンよりもさらに使い勝手がよい携帯型のデジタルオーディオへの移行が進んでいるようで、PCとおもちゃみたいな端末がオーディオの代名詞になるのも想像は難しくない。

本格的なオーディオは日本の住宅事情には厳しい面が多いですし、軽薄短小化するのは当然の流れだと思います。
漫画「専務 島耕作」の3巻を読んでいると、アメリカでは洗濯機は日本で主流の乾燥機との一体型は全く売れなくて、セパレート型が主流だそうです。
部屋が広く置き場所はいくらでもあるので単体で価格が安いセパレート型の需要が多いとの事です。


私が勤めている会社の創始者の言葉で次のような内容のものがあります。
商売では「傘の理論」と呼ばれるものがあり、価格を下げれば下げるほど市場は拡大するということ。
しかし、世の中にはその理論が当てはまらずに絶対に価格を下げないメーカーもある。

商売には4つの要素 「価格」 「品質」 「納期」 「量」 があり、この内のどれか一つでも抜きん出ていれば、他社に先んじることが出来るということです。

少なくとも「趣味」として成り立つオーディオ・ビジュアル趣味であるならば、少数派であるのは当たり前ですしその市場が傘の理論から外れたところにあるのも不思議なことではないでしょう。
「音楽を良い音で聴きたい」「映画を良い画質で観たい」と思う層は絶対に居なくなることはないですから、成長が止まることもないと確信しています。

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