2年生までで月1のペースは少ないと思いますが武道に興味をもつ人が増えるきっかけになるなら良い取り組みだと思います。
しかし子供の「しつけ」の効果を期待するのであればなにも武道でなくて他のスポーツでも十分だと思います。
少年野球の強いチームなどは例外なく礼儀などの面もきちんとしているようですし。
勉強でもスポーツでも真剣に打ち込みたいと思うものがあるなら余計な方向にそれることもないでしょう。
武道が存在するようになったのは明治時代からで、その前の時代は剣術や柔術といった格闘術でした。
後者はひたすらに敵を倒すための技術で「道」を名乗るようになったのは、武士の時代が終焉を迎え国民体育として生き残るために格闘術としての側面を大きくそぎ落として精神論を強く主張するようになったからだと解釈しています。
スポーツと武道の大きな違いは後者には生死の観念が大きく付きまとうことだと思っています。
スポーツの試合で負けてもただ悔しいだけですが、武道で負けた場合は自分は相手に殺されてしまったという風に連想できるところです。
実際の武道では例えばオリンピックで柔道の試合を見ていても制約の多いルールの中でかけひきに終始する場面もあり命の取り合いとはほぼ無縁のものですが。
素手で行う格闘術の側面から見ればやはりUFCに代表される総合格闘技が現代では最も優れていると言ってよいでしょう。
ルールの制約はありますが選手の安全を守るためには最低限必要なものでしょう。
例えば空手道の選手は相手が主に突きと蹴りを使って攻撃してくることしか想定しないで練習するので、タックルや投げなどが認められるオープンなルールの下で戦うのには不利です。
UFCの初期の頃に大道塾のトップだった市原選手が出場しホイス・グレイシーを相手に何もさせてもらえずに終わってしまったシーンは空手道の関係者にかなりのショックを与えたと思います。
市原選手は柔道の心得もあったわけで、このシーンは「武道」が格闘術としては極めて完成度が低いことを露呈してしまったシーンなのですから。
私も当時は真剣にグレイシー柔術を打倒するにはどうしたらいいのかいろいろとシュミレーションしてました。(笑)
正直、武道で説かれる精神論はもう満足に体が動かなくなった老人の指導者が若手を相手に唯一できる指導で、格闘技云々とは程遠いところにあるものです。
格闘技としての優秀性を証明するならばやはりUFCなどルールの制約が小さな試合形式で勝利することでしょう。
しかし武道が格闘技のベースとなるのは間違いのないことで、伝統派空手の道場で育った日系ブラジル人のリョート選手や大山空手から格闘技を始めたジョルジュ・サンピエール選手などはレベルの高い総合格闘技の世界でも最も完成度が高い格闘家だと思います。
寸止めルールの伝統派空手は間合いが深く、ボクシングの間合いでパンチを当てようとしてもリョート選手には全くあたりません。
寝技は比較的短期間で防御を身につけることができますが、立ち技の当て勘などは短期間で習得するのは無理です。
(上にあげた両名は寝技の攻撃に関しても一流ですが)
武道から入った日本人の選手で将来UFCなどの大会でチャンピオンを輩出する日が来るといいですね。
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