今年自分の部屋で観て面白かった映画作品を記しておきます。
エンプティ・マン
監督:デヴィッド・ライアー 出演:ジェームズ・バッジ・デール マリン・アイルランド
ある橋の上で空き瓶の口を吹くと何かがやって来るといううわさがある。
観客を引き込ませる力はある作品ですが終わってみれば内容の無さにがっかりします。でも見て損をしたという程ひどい作品ではないです。そういうことではたちが悪い作品かもしれません。例えば「テネット」みたいに途中で観るのをやめたくなれば最後まで観ないので。
CURE
1997(日本) WOWOW
監督:黒沢清 出演:役所広司 荻原聖人
首にクロスの切れ込みを入れる連続殺人事件が起こっている。その事件を担当している刑事の妻は精神を病んでいる。
あんた誰?と問われてどう答えるかはそれなりに悩みどころのような気がします。そう問いかけてくる相手のことが何も分からないとどう答えて良いのかとっさに判断できない。あんた誰?という問いはそれだけ抽象的な問いであると思います。他人の心を自在に操ることができれば多分無敵の人になれると思う。まあ飛び道具で撃たれたらおしまいですが。
ビバリウム
監督:ロルカン・フィネガン 出演:ジェシー・アイゼンバーグ イモジェン・プーツ
若い夫婦が建て売りの住宅を見るため不動産屋さんに案内されて現地に訪れる。
お話は全然違いますがどこか「CUBE」を彷彿させる不条理な作品です。個人的にはこういう謎の空間設定はかなり引き込まれます。物語そのものよりも状況下における登場人物達の心理描写がどれだけ描けるかがこの手の作品の成功の鍵だと思います。
騙し絵の牙
BLUE/ブルー
監督:吉田恵輔 出演:松山ケンイチ 木村文乃
パチンコ屋の店員の青年。かっこつけるためにボクシングジムに通い始める。
作中一番弱いのは松山ケンイチさんですがどう見ても一番ボクシングがさまになっていてかっこいい。「熱量」という言葉が出てきますが物事に打ち込む情熱の強さを表すのにとてもいい表現だと思います。
獄門島
監督:斎藤光正 出演:石坂浩二 大原麗子
獄門島へ復員兵の死亡を伝えに来た探偵の金田一。その直後に島で殺人事件がおこる。
角川の横溝正史シリーズ3作目の作品。1作目の犬神家の一族が傑作すぎてその後は正直かすんでしまうのですが横溝正史の世界観はよく表現されていると思う。殺人の動機がもう一つピンとこないのが残念ですが牧歌的な島の雰囲気と人の業のおそろしさの対比が見所ですね。
ベニシアさんの四季の庭
監督:菅原和彦 出演:ベニシア・スタンリースミス 梶山 正
京都の古民家で暮らすベニシアさんの姿を追ったドキュメンタリー。
イギリスの貴族でお城のような途方もない邸宅で暮らしていたベニシアさんが日本の古民家で暮らしているのはそのミスマッチぶりに驚きます。庭には植物が茂り、いつも何かしら植物を煮こんでだし汁を取っている姿はそのまま魔女に見えてしまいます。そうして長年日本で暮らしているわけですが単に平和な田舎暮らしを楽しんでいるだけでなく乗り越えてきた苦悩も多いようです。
水戸黄門
監督:佐々木康 出演:月形龍之介 市川右太衛門
奥州に向かう前に江戸に立ち寄ったご老公は不審な大名行列を見かける。
個人的には水戸黄門と言えば東野英治郎さんがご老公のTVドラマシリーズですが調べてみると映画作品も含めてかなりな数の作品が作られていますね。この映画作品は初見ですがやはり新鮮でした。武家屋敷などが本物そのものにしか見えないし、内容も親しみやすさはありますが将軍がからんでくる御政道に関するものでなかなか重厚なものです。顔が大きなずんぐり体型の役者さんが花形なのも時代を感じます。
ラストディール 美術商と名前をなくした肖像
監督:クラウス・ハロ 出演:ヘイッキ・ノウシアイネン ピルヨ・ロンカ
売れなくて店をそろそろたたもうかと考えている画商の老人。次のオークションの下見で気になる絵を見つける。
個人的には他人の描いた絵を所有したいとは思わないですが絵の取引は作中でも描かれているとおり投資の対象としての価値からくるもの。つまり安く仕入れて高く売る。そこにいろいろなロマンが発生することもあれば悪意にまみれることもある。画商の老人の頼りない感じが逆にいい味が出ているなと思います。
NO SMOKING
監督:佐渡岳利 出演:細野晴臣
細野晴臣氏の生い立ちから音楽活動を追ったドキュメンタリー作品。
細野晴臣氏の音楽を知ったのは小学校高学年のころヒットしたYMOが初めてでした。多分YMOの音楽は由緒正しい音楽ファンには受け入れられなかったのではないか思います。歌ものでもないのに普通の小学生がレコードを買うほどのヒットなので若い人にはすぐに分かる魅力ですが保守的な人にはなじめないかもしれない。細野氏が作中でも仰っていますが誰かがすでにやったような音楽には興味がないというのは氏のスタイルを見ていると納得出来ます。生い立ちから1985年くらいまでは紹介されているのですがその後も見たいですね。特にYMO再結成のあたりなど。
21世紀の資本
監督:ジャスティン・ペンバートン 出演:トマ・ピケティ
経済学の本「21世紀の資本」を映画化したドキュメンタリー作品。
人が持つ力の強さが武力であった時代も大昔。その力はお金に置き換わっている。そしてお金はごく少数の人たちに集まり彼らはそれを維持するために秩序を築いていく。生産に貢献する投資は15%にすぎず残りの85%はお金を回すだけで価値を生み出す現状。映画内でそのあたりを分かりやすく解説してくれます。
サスペリア
監督:ルカ・グァダニーノ 出演:ダコタ・ジョンソン ティルダ・スウィントン
ベルリンの舞踏団にアメリカからやって来た若い女性が入団する。
舞踏団の雰囲気が本物っぽくて芸術色が強い作品です。日本では魔女のイメージはコミカルなものが強い気がしますがこの作品の魔女達はがちで恐ろしい。
神童
監督:萩生田宏治 出演:成海璃子 松山ケンイチ
八百屋の2階でピアノの練習をしている大学浪人生のところにピアノが上手な女子中学生がやって来る。
細部のつじつまを合わせるというよりは情熱で突っ走るタイプの作品。なのでクラシック演奏を真面目に努力している人がこの作品を観ると不快に感じるのではないかと思うところもある。私は音痴なのでよく分からないですが他人の演奏を少し聴いただけで天才って分かるものなんでしょうか。
ある船頭の話
監督:オダギリジョー 出演:柄本明 川島鈴遥
山中の川で渡し守をして一人で暮らしている老人がいる。
嫌な客がいたり現実から逃げてきた少女がいたりと老人の心は揺さぶられるのですが彼自身も過去に何かいきさつがあって一人で暮らしていることを思わせる。便利なんだけど無くなってしまうものに対する郷愁のようなもの、変わっていくものに抗いたい激しい気持ち。孤独な二人はどこに向かうのだろう。
ウエストワールド
監督:マイケル・クライトン 出演:ユル・ブリンナー リチャード・ベンジャミン
未来世界では3つのテーマパークを要した施設が人気を博している。3つは「古代」、「中世」、「西部」でそれぞれの世界をリアルに楽しむことが出来る。
SF映画の傑作のひとつですが今観るとさすがにこんな間抜けなシステムを作るとは到底思えないです。しかし現実でも防災報知アプリが実は全く使えないものだったりなどの事例には事欠かないような気がします。映像的にはCGなど使っていない時代のSF作品の方がよほど現在製作されている作品よりもリアリティがあるように思うのですがどうでしょうか。
劇場版 魔法科高校の劣等生
監督:吉田りさ子 出演:中村悠一 早見沙織
有る研究所から逃げ出した少女は達也達に保護される。彼女の他にも8人の少女がまだ研究所に残っている。
TV版の魔法科高校の劣等生はあまり評価していなくて劇場版はどうかなと言うところでしたがしっかり楽しむことが出来ました。相変わらずの無敵な兄と妹ぶりですがこう完璧だとすがすがしいものです。TV版だと逆にそれがくどいとも感じるのですが劇場版でまとめるにはいい案配かもしれません。
ディスクに焼いた4K放送コンテンツも記しておきます。いずれも好きな作品ばかりです。市販されていないものもあるので貴重だなと勝手に思っています。(笑)
・ターミネーター2 BS4K
・シャイニング BS4K
・カリオストロの城 日本映画+時代劇4K
・影武者 WOWOW4K
・スーパーマン BS4K
・花とアリス殺人事件 日本映画+時代劇4K
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