2009年7月27日月曜日

自動機の設計

単純な動作の一例として、品物をAの場所からBの場所へ移動させるとします。
品物は人が持てるくらいの大きさでAB間は1mくらい。

人手を介さずに装置を使って移動させる方法を考えてみると

1.品物をAで持ち上げてBまで直接運ぶ。
2.品物の足元をAからBまで移動させる。
3.品物をAで移動台座に乗せてBに運び降ろす。
4.品物を押したり掴んだりしてAからBまでずらす(ころがす)。
5.品物の足元を傾斜させてAからBまでずらす(ころがす)。
6.品物の足元を振動させてAからBまで持っていく。
7.品物をAからBに放り投げる。

と大まかにはこんな方法が考えられて
さらに1.の方向で具体的な方法を考えてみると
1-1 市販のロボットユニットを使う。
1-2 品物を掴むチャック部と市販のロボットアームを組み合わせる。
1-3 チャック部と直動機構を組み合わせる。
1-4 チャック部と反転ユニットを組み合わせる。
なんかが考えられます。

つまり、こんな単純な仕事をさせるメカを考えるだけでもたくさんの方法があってさらに条件が
・品物の大きさが不ぞろい。
・品物の形状が安定していない。(ゲル状等)
・品物の位置が安定しにくい。(鉛筆を立てた状態等)
・品物の形状が移動に向いていない。(壊れやすい等)
・品物を移動させる位置の精度が必要。(1/1000mm等)
・品物を移動させる時間が短い。(1/100秒等)
こんな感じで厳しくなってきたりするとメカ設計の難易度はどんどん上がってきます。

そして一般的に会社勤めで設計業務に携わっている人はその仕事を決められたスケジュールに沿って完成させる必要があります。
「頑張ったけどできませんでした」といって終結させることができればいいのですが。。。担当となった仕事は他人の力を借りてでも具体的な形になるまでは終わりません。

難易度の高い設計では会社にいるときはもちろん、家にいるときもずっとこのパズルを解くような思考をずっと続けることになります。
案外入浴中などにアイデアがまとまったりします。
寝ている間も夢の中で悩んでいたりします。(笑)

そうして考えているとピタリとピースがはまり込むように気持ちよくアイデアがまとまることもあれば、適当な落としどころで妥協してしまうこともあります。
そして完成した装置を客先がよろこんで受け取ってくれるかと言えばそうとは限らず、装置の仕様決めの段階では一度も顔を見せたことのない人間が完成した装置を前にしてそれまで聞いたこともない仕様を出来上がった装置に対して当然のように要求してきたりします。

まあ他人の仕事の苦労なんて多くの人には興味がないことなんでしょうけど、少なくともお互いが円滑に楽しく仕事ができるように協力し合えたらいいなと思います。

自分のやった仕事に対して一切文句を言わせないで「べらんめえ」で済ましてしまえる職人気質な仕事がやりたいな~というのが最近のささやかな夢だったりします。
守備範囲がものすごく狭いくせに態度だけ職人気質な人が仕事関係の人にいたりするとものすごくめげてしまうのです。(笑)

少々愚痴モードでした。

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