2020年12月20日日曜日

今年観た映画作品2020

今年自分の部屋で鑑賞して面白かった作品を記しておきます。数はたくさん観ているのですが面白かった作品は少なかったですね。

PSYCO-PASS 3 FIRST INSPECTER

2020(日本)WOWOW
監督:塩谷真義
出演:梶裕貴 中村悠一

公安局が襲撃されビルが占拠される。犯人はビル内の人々を人質に取り市長の辞任を要求する。


TVシリーズを観る機会がないので世界観は分かるのですが話は全くつながっておらず作品単体の感想になります。
身近な人が目の前で殺害されても負の感情を持たないことが優良な市民とされるのはどう考えてもいびつでしょう。人の愛情までもが否定されてしまう。梓澤は他人に選択を委ねただけだというが「作為の無作為」であって彼の悪意が犯罪係数にカウントされないのはどう考えてもおかしい。地雷を仕掛けた人間が地雷原を通ったのはその人の勝手と言うようなもの。
シヴィラシステムのハード部分の謎が明かされますがソフトの部分はもう一つよく分からないですね。


シライサン
2020(日本)WOWOW
監督:安達寛高
出演:稲葉友 飯豊まりえ

弟から不審な電話があった後弟は不審な死を遂げる。弟の交友関係から同じような死に方をした人が他にも居ることが分かる。


「リング」と同じように呪いが伝播するタイプの話で登場人物達はやはり呪いに巻き込まれその正体を探っていきます。やや演出が軽い感じもあるのですが怖い作品です。

 

 ボーダー 二つの世界

2018(スウェーデン/デンマーク) WOWOW
監督:アリ・アッバシ
出演:エヴァ・メランデル エーロ・ミロノフ

フェリーの乗船場で不審な乗客をチェックする仕事をしている女性。彼女は森の中の一軒家で男性と暮らしている。


その美しくない容貌でかなり目立つ女性ですが鼻が効き人の感情を嗅ぎ分けることができる。なので不審な人物を嗅ぎ分ける能力は天下一品ですがそんな彼女が見込み違いを犯してしまう。なぜ見込み違いを犯したのかは続きを見ていけば分かる。多様性を認めることが人が幸福になれる一つの条件であることは間違いないでしょう。


泣き虫しょったんの奇跡

2018(日本) 日本映画専門チャンネル
監督:豊田利晃
出演:松田龍平 窪塚愛流

小学生のころに将棋に魅せられた少年は中学卒業と同時にプロ棋士になるため奨励会に入る。


どうやったらプロ棋士になれるということをこの映画を観るまで知りませんでした。単純に将棋が強ければなれるわけではなく将棋連盟のルールに則って年齢制限内に奨励会を出なければならない。華やかなプロとは違って奨励会は非常に閉ざされた修羅の世界という感じ。将棋が大好きだった人間がだんだん将棋を憎むようになるというのもよく分かります。


エリカ38 
2019(日本) WOWOW

監督:日比遊一
出演:浅田美代子 樹木希林

マルチ商法をやっている女が喫茶店で大企業の会長の肩書きをもつ夫人に声を掛けられる。


映画の内容は冒頭でだいたい分かってしまうのですがそれでも最後まで観てしまいます。人々がお金に希望を抱きそして裏切られていく過程はドラマとして見応えがあるということでしょう。反面教師として自分を戒めるのにはいい作品です。

ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ

2007(日本)WOWOW
監督:前田 哲
出演:松山ケンイチ 高畑充希

獣医として沖縄の水族館にやってきた若者。だけどイルカの飼育係と同じ仕事を仕込まれる。


人なつこいイルカは賢そうに見えるけどイルカにとってプールでの生活が幸せなのかどうかは分からない。
泳げなくなったイルカを復活させるために協力企業とプロジェクトを始めるわけですが架空の企業ではなく「ブリヂストン」とはっきり実名を使っているところに同企業に対するリスペクトを強く感じます。
実際に開発されたからこそ映画のシーンもリアルそのもので感動できます。


劇場版 機動戦士ガンダム00 -Awakening of the Trailblazer-

2010(日本)WOWOW
監督:水島精二
出演:宮野真守 本名陽子

アロウズを打倒し新たな道を歩み始めた人類。木星から過去の探査船が漂流して地球に戻ってくる。


TVシリーズの続編を劇場版で描き物語を完結させています。イオリアの真の狙いがこの作品で分かるわけで壮大な戦闘物語もやっとここで終結すると思うと少し寂しい気持ちにもなります。ラストは円満にすがすがしく終えることが出来たと思います。


アド・アストラ

2020(アメリカ) WOWOW
監督:ジェームズ・グレイ
出演:ブラッド・ピット トミー・リー・ジョーンズ

宇宙で消息を絶っていた父が生存していると聞かされ息子が旅絶つことになる。


感情を抑制し心拍数も常に安定している、まるでロボットのように振る舞う主人公は優秀なパイロット。
そんな彼が父親の生存を機に感情的な反応を示すにつれて周囲からは評価されなくなっていく。
宇宙の旅が孤独である前に彼の孤独な影が色濃い。

PROSPECT プロスペクト

2018(アメリカ) WOWOW
監督:ジーク・アール クリストファー・コードウエル
出演:ソフィー・サッチャー  ジェイ・デュプラス

貴重な石を採取するため星に降り立った父娘。トラブルで予定のポイントからはそれなりに離れた場所に降りてしまう。


SF作品ですがメカのデザインや使われる音楽が妙にアナクロでノスタルジーのある造形です。
降り立った星の空気感や出会う人たちとの交渉過程などが主な見所になります。
法的なルールや常識など何も通用しない世界で他者と関わる厳しさなんてものを考えさせられます。


パリに見出されたピアニスト

2018(フランス/ベルギー)WOWOW
監督:ルドヴィク・バーナード
出演:ランベール・ウィルソン クリスティン・スコット・トーマス

不良少年が駅に置いてあるピアノを弾いているとある紳士の目にとまる。


不良だけどピアノの天才。しかし努力するのは苦手。
クラシック音楽に限らず伝統的な文化は他人が作った様式にまずは自分を合わせる必要がある。
つまり基本をきちんと身につけないと先には進めないしクラシック音楽はもともと貴族社会のものだっただけにそれに加えて格式が重んじられる。
その辺りを押さえながらサクセスストーリーとしてうまくまとまった作品だと思う。


劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ

2019(日本)BD-ROM
監督:石原立也
出演:黒沢ともよ 雨宮天

北宇治高校は新学年となり新しい春がやって来た。吹奏楽部にも新しい部員が入ってくる。


とりあえずこの作品のBDを無事手に入れることが出来たことに感謝します。
思い入れの強い作品なので本当はTVシリーズでじっくりと鑑賞したい続編です。新作ですが劇場版ということでやはりどこかダイジェストを観ているような駆け足感は拭えません。ただ内容的には非常に満足です。吹奏楽部員達の心のぶつかり合いがここまで繊細に描かれているのは大したものだと感心します。リズと青い鳥のフルの演奏を鑑賞できるのも感動します。
ラストのシーンは観ていて泣きそうになりました。人は成長し変わっていくもんだという当たり前のことなんだけどものすごく切ない気持ちにさせられます。


運び屋

2018(アメリカ) WOWOW
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド ブラッドリー・クーパー

家族を顧みず農園を営んでいた老人が破産し居場所が無くなった。


イーストウッド自身が出演し監督をこなすのも定番となりましたがスクリーンに映し出される彼の姿を観て、もうこんなに老けてしまったんだなと思うと正直観ていられない感はあります。作中の老人は90歳です。
この作品で表現していることはすごくシンプルなことなのですがこの老人の最後の境地は充実したものなんだなと思うとすごく安心感があります。


PSYCO-PASS sinners of the system 3部作

2019(日本)WOWOW
監督:塩谷直義
出演:佐倉綾音 有本欽隆

潜在犯の矯正施設から逃亡した職員を逮捕し身柄を引き渡すため施設を3人の捜査官が訪れる。


PSYCO-PASSはTVシリーズを観たことがなくて劇場版からしか観ていません。その劇場版も初見ではあまり印象に残らなかったのですがWOWOWの再放送を今の環境で鑑賞したらすごく楽しめました。劇場に近い環境で鑑賞しないとその真価をが分からないタイプの作品ですね。この3部作はその劇場版からの後日譚。このシリーズ作品に登場するキャラクターの数はものすごく多いみたいですが、それぞれに特定のキャラクターに見せ場を設けるような形で話が作られています。

岸辺の旅

2015(日本) 日本映画専門チャンネル

 

監督:黒沢清

出演:深津絵里 浅野忠信


失踪した夫が3年ぶりに戻ってきた。二人はそのまま旅に出る。


人のぬくもりを感じていた空間が一瞬で廃墟に変わるシーンはなんとも恐ろしく寂しく感じました。夫は「ついで」の仕事をやりながら3年掛けて戻ってきたわけですが、彼は大丈夫でも彼女の心は本当に元気になったのかどうかがよく分からない。なんだか私も白玉団子を作ってみたくなりました。(笑)

2 件のコメント:

  1. 初めまして。

    ドルフィンブルーの、困難を乗り越えて実現した執念、見事ですね。

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  2. 師子乃さんコメントありがとうございます。
    個人的に松山ケンイチさんのファンで彼が出ている映画はだいたい楽しめるような気がします。
    私もメーカーで技術に関する仕事に携わっているのでこの作品でブリヂストンの担当者がになうことになる仕事の大変さがよく理解できるように思います。

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