2018年12月16日日曜日

今年観た映画作品2018その2

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
2017(日本) WOWOW

監督:新房昭之
出演:広瀬すず 菅田将暉

街で花火大会が行われる日、小学校のプール掃除を始めようとした6年生の男子二人は先客の女子が一人居ることに気がつく。



岩井俊二監督の実写映画をアニメとしてリメイクした作品。実写版はWOWOWの放送では4:3のSD画質で鑑賞に堪えませんでした。
小学6年生だと子供っぽい男の子と少し艶っぽさのある女の子という組合せは無理がなくてなかなか面白い設定だと思う。男子達は特定の女の子と親しくなるチャンスがあったとしても男友達との友情を優先してしまう。
女の子は背伸びすればもう大人の仲間入りが出来そうな雰囲気を醸していても母親の前ではなすすべなくやっつけられてしまう。
ラストがよく分からなかったのですが彼と彼女は一体どうなったのでしょう。


闇金ウシジマくんpart3
2016(日本) 日本映画専門チャンネル

監督:山口雅俊
出演:山田孝之 本郷奏多

とあるお金儲けのセミナーに参加した派遣社員の若者はそのセミナーの指導に従って高額なDVD等を購入する。
なりふり構わない献身ぶりにセミナーの主催者から認められていく。



3作目ともなるとやや勢いに陰りが見えてきますが相変わらずお金にまつわる反面教師的な面白さはあります。
ただお金儲けにこだわるなら人をだまそうが裏切ろうが儲けた者勝ちということでしょうか。
この手のマルチ商法というのはもう何十年も前から繰り返し行われてきたわけで反面教師的なサンプルには事欠かないはずなんですよね。
この作品のマルチの親分もそうですが人間関係を全てお金に換金した先には国外逃亡など一生何かから逃げ続けるような人生しかないと思います。


闇金ウシジマくん ザ・ファイナル
2016(日本) 日本映画専門チャンネル
監督:山口雅俊
出演:山田孝之 永山絢斗

ほぼ行き倒れている状態の若者が声をかけられ連れて行かれた場所は集団でゴミ処理の仕事を行っているたこ部屋のようなところ。彼は中学時代ウシジマの親友だった男。



ウシジマの原点を描くような最終章です。金融がらみの話としてはうすくて物足りないです。
元親友の彼が現在のウシジマとは対極といってもいいくらいのお人好しでウシジマの内面を葛藤させるという意味では最大の敵かもしれません。
ざっくりな弁護士に対してあの程度の落とし前なのは過去のウシジマからすると甘いかなというのとライバルのあかねとの決着はうやむやのままで少しすっきりしないですね。


キラー・セッション
2017(フランス・ベルギー) WOWOW

監督:エリック・バレット
出演:トメル・シスレー テレンス・イン

夜中のフランスの農場でコロンビアの麻薬シンジケートのメンバーが謎の男に殺害される。警察に追われる彼は麻薬シンジケートからも負われる身となる。



ストイックで謎の多い一匹狼の逃亡者。彼と麻薬シンジケート側の中国系殺し屋が物語を作っていく。
テンションが高く嘘っぽくない作りがいいと思う。ただ殺し屋がまるで趣味のようにむごい拷問を繰り返すのが強い毒となっている。農場を取り巻く殺伐とした環境と彼が現れたことによる「浄化」が救いとなるかどうか。


エルミタージュ美術館 美を守る宮殿
2014(イギリス) WOWOW

監督:マージー・キンモンス
出演:ミハイル・ビオトロフスキー館長 アントニー・ゴームリー

女帝エカテリーナ2世によって始められた美術品のコレクション。ニコライ2世までに宮殿にはおびただしい数の美術品が集まる。



皇帝の住まいだった場所が現代では美術館となり一般公開されているのは素晴らしいですね。
しかもサンクトペテルブルクのこの美術館は建物の前の広場といいそばを流れる巨大な川といい眺望のスケールが素晴らしい。
美術品はそれを創作した人のものであることは間違いないですが多くの有名な美術品は創作者とは関係のない人間が所有しています。
作中にも少し描かれていますが優れた美術品は人類全体の財産であるということには深く共感します。
スクリーンで鑑賞する美術品の数々にはやはり圧倒的なオーラのようなものを感じます。
ホームシアターと美術鑑賞は案外相性が良いと思います。


ダンケルク
2017(イギリス/フランス/アメリカ/オランダ) WOWOW


監督:クリストファー・ノーラン
出演:フィオン・ホワイトヘッド トム・グリン=カーニー

第二次大戦下、ドイツと戦う英仏連合軍が追い詰められたダンケルクでは迎えの艦船を待つ兵士達が海岸線にあふれていた。



ハンス・ジマーの音楽は何かせかすような切迫感がありこの作品の空気を如実に表している。
兵士達が海岸に密集している風景が濃い色合いと共に迫力があります。
ただ最初から最後まで逃げ出すことに一生懸命だった者が「英雄」として扱われ最後まで戦った者が。。。。というところも戦争の不条理をわざと表現しているのであればなるほどねとなるのですが実際どうなのかな。


キュア~禁断の隔離病棟~
2017(アメリカ) WOWOW

監督:ゴア・ヴァー・ビンスキー
出演:デイン・デハーン ジェイソン・アイザックス

大手の投資会社がピンチな状態にあるのに社長は田舎の療養所に行ったきり戻ってこない。
若手のエリート社員が役員からの命令で社長を連れ戻すために療養所に向かった。



映像と音声のクオリティが高い作品です。
ありがちな話で展開はなんとなく読めるのですがクオリティの高さに引き込まれるような感じで最後まで一気に観れてしまいます。突っ込みどころはたくさんあるけれどうまくまとめてあるなと思います。
論で対決するのに自信満々だった主人公が何もできずに敵の城の中で右往左往する様がまあ見所です。


愚行録
2017(日本) 日本映画専門チャンネル

監督:石川慶
出演:妻夫木聡 満島ひかり

一家惨殺事件から1年が経過し週刊誌の記者はその特集を組むための取材を始める。犯人はまだ明らかになっておらず被害者の関係者に一人ずつ会って話を聞いていく。



関係者達が語る被害者の人物像、そしてその関係者達の人物像が次第に明らかになっていく。
そして取材を進めるうちにその事件の真相までが明らかになり。。。とミステリー調なのですが根っこの部分は人間の身勝手さや醜さを表現する暗いお話です。日本は格差社会ではなく階級社会であるということですがさてどうなのでしょう。


幼な子われらに生まれ
2017(日本) WOWOW

監督:三島 有紀子
出演:浅野忠信 田中麗奈

バツイチ同士の夫婦。娘二人は妻の連れ子で夫とは血のつながりがない。姉妹は小学6年生と幼稚園生。夫は別れた元妻が育てている実の娘と定期的に会っている。



もしあなたの好きな有名人を一人あげてと問われたら私は浅野忠信さんをあげます。「Helpless」の頃からのファンですが最近は少しスクリーン上でお見かけする機会が減ってきたかなと思っています。この作品で演じるカタギのお父さん役は新鮮ですね。画質がノイジーでよろしくないですがわざとなのかな。
特別な理由が無ければ自分の親との関係は誰もが経験していると思いますが、自分の子供との関係を経験することがない人は最近ではそれほど珍しくはないでしょう。私もその一人ですがそういう意味からもこの作品は非常に新鮮でありますね。クドカンが演じる男が「一億円もらっても割に合わないよ」というセリフがなんとも嫌な響きです。


島々清しゃ
2017(日本) 日本映画専門チャンネル

監督:新藤風
出演:安藤サクラ 伊藤蒼

東京から沖縄の離島にやって来たバイオリン奏者の女性。地元の少し変わった小学生の女の子と知り合う。女の子は耳が聞こえすぎて苦しいので耳当てをして音を聞こえにくくしている。



沖縄といえばきれいな海、泡盛、米軍、三線(さんしん)弾きのおじいというイメージですが全部出てくる作品です。(笑) 他人の出す音にケチばかりつけていた女の子が自分が音を作り出す作業を始めて成長していく物語。作中奏者が音を合わせるというシーンがあるのですが普段オーディオで良い音を出そうと努力している立場からすると楽器演奏者の努力も共通するところがあるんだなと妙に感心してしまいました。奏者からすれば当たり前でオーディオ趣味の方が逆にマイナーなんだろうとは思うのですが。

0 件のコメント:

コメントを投稿